防災力UP工房の沢戸です。

今年、 11月 24日~ 30日熊本阿蘇地方
11月 26日東シナ海
11月 12日関東
12月 08日青森県東方沖

最近、日本の至る所で地震が増えています。愛知県近辺では幸いにも大きな地震が観測されていません。「いよいよ、この地域に大きな地震が発生しそうだね」といった会話がけっこう飛び交っています。でも、それ以上、突っ込んだ対策議論にまで進まないので、どこか他人ごとのようにも聞こえます。

“備えていたことしか、役には立たなかった。備えていただけでは、十分ではなかった”
「東日本大震災の実体験に基づく災害初動期指揮心得」国土交通省東北地方整備局

BCP は事業継続計画(緊急時事業存続計画)のことです。
BCP を策定し、行動手順を整理していても、備えていたことしか役に立ちません。
さらに、一度つくった BCP を継続的に見直し・訓練を継続せずに、備えていただけでは十分では
ありません。

今回は、BCP策定の基本となる考え方をいくつか述べてみます。

詳細なBCPを策定しても結局のところ、事業復旧の早さは「複数の偶然の積み重ね」に支配される
(だとすれば、BCPに取り組んでも取り組まなくても同じなのでしょうか?)大地震であなたの事業が早期復旧できたとしても、原材料や部品等の仕入先(取引先)など社外の復旧体制が進まないと、あなたの事業の早期復旧に影響を及ぼしてしまうことになります。従ってBCPは、こうした複数の偶然が重なるケースにまで対処できる方法は持っていないので、事後的に最善を尽くすほかはありません。しかしそれでも、BCPという基本があるからこそ予期できない事態に遭遇しても応用が期待できます。

BCP にどこまでも合理性を追求し過ぎるとどうなるか?
「 A という選択肢を実行すれば、必ず B という結果が予測できる」と考えることは現実的ではありません。選択肢は将来起こり得る事象(出来事)なので、想像力や経験的な知識で補うほかはないことになります。また「想定外においても対処できるBCPの策定をつくらないといけない」という理想論がある一方で、私たち自身が顕在(表面化)した危機やリスクに対して期待するほど合理的な行動がとれないとすれば、どうやって合理的な BCP を策定すればいいのでしょうか?

自分たちにできるレベルで合理性を追求する「満足基準」を設定する
地震等の災害危機が、いつどこでどの程度の規模で起こるかを前もって知ることはできません。一つとして、同じ災害は存在しないからです。緊急事態が起こったとき、身の危険や被災物等の影響を最小限に抑えるためには適正な行動を選択しなければなりません。その行動のひとつがコミュニケーション能力です。社員どうしで声かけをしたり、安否確認の報告や被害状況を社員や利害関係者へ正確に伝えるなど、まずは、現段階で自分たちにできるレベルでの「満足基準」を設定して継続的な見直しをしながら徐々にステップアップしていきます。

「組織全員が自分事として取り組むBCPを目指す!」と、社長は豪語してみたが……
BCPの重要性を唱えながら目先の売上に活動を集中するあまり、BCP取り組みを自ら放棄してしまったことはありませんか?危機管理は売上向上や事業成長と同レベルにあることを事業者トップが認識できていなかったケースです。
BCP 策定の開始時に「全員、自分事のように考える」ように意識付けをしたつもりが、いつの間にか誰も真剣に取り組まなくなりました。ある若手社員が災害対策のアイデアを提案しようとしたが、誰に提案すればいいのか分からない。提案したアイデアがくだらないものとして一笑されたら傷つく。社員の前向きな姿勢をリーダーたちが受入なくなれば、何もしなくていいと言われているのと同じことです。アイデアをきちんと「受け入れて」評価する仕組みをする仕組をつくる必要があります。もし、緊急事態になったときこの社員のアイデア採用が非常に助かった、あなたの事業を救ったのであれば、これほど嬉しいことがあるでしょうか?